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こんにちは。介護士のyooshです。

【当事者が書く本はいい】

『ボクはやっと認知症のことがわかった』

『ボクはやっと認知症のことがわかった』

これは、長谷川和夫さんが2019年に書かれた本です。

 

長谷川和夫さんは『長谷川式簡易知能評価スケール』(長谷川式スケール)を開発した精神科医です。

長谷川式認知症スケール(はせがわしきにんちしょうスケール)とは、長谷川和夫によって作成された簡易的な知能検査であり、主に認知症患者のスクリーニングのために用いられる。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

 

長谷川和夫さんは、その生涯においてずっと認知症と関わり続けてこられた人です。

 

そして、長谷川和夫さんは2017年10月、88歳の時に『自身が認知症である』と公表されています。

認知症になられた長谷川和夫さんが、当事者の立場に立って書かれた本が『ボクはやっと認知症のことがわかった』です。

 

そこには、

『朝起きたときは調子が良いのだけれど、夕方になると混乱がひどくなる』

『一晩眠るとまたスッキリして、フレッシュな自分が蘇る』

『前行った場所なのにどうも辿り着けない』

『今日が何月何日で何曜日かも分からなくなる』

といった症状のことや

『認知症の問題の本質は「暮らしの障害」です』

『けど、周囲の接し方次第で、この障害の程度はずいぶん軽減できます』

『そのためには、認知症に対する理解が必要です』

『自分が公表することで、認知症への理解が進んで』

『認知症の人が暮らしやすくなれば良い』

という思いが語られています。

 

当事者が語ることって、本当に重みがあります。

『自閉症の僕が「ありがとう」を言えるまで』

以前僕は自閉症の人の支援をしていました。

 

その時も、とても感動した本があったことを思い出しました。

イド・ケダーというアメリカ人の男の子が書いた

『自閉症の僕が「ありがとう」を言えるまで』

という本です。

 

イド・ケダーさんは音声言語を扱うことができません。

もともとは、一切のコミュニケーションは不可能と思われていた人です。

 

しかし彼の母親は、彼(イドさん)に文字を書く練習をさせている時に、奇跡的な発見をします。

文字を書く練習はこんな感じです。

  • イドさんにペンをもたせる
  • 母親がイドさんのペンを持つ手を握る
  • 母親が主導的に手を動かして、文字を書く
  • 実際は、イドさんはペンを持っているだけ

です。

結果的には、『母親が書いているだけ』と思われるような練習です。

けど、ここで母親は発見します。

 

『自発的に動いて文字を書こうとする』イドさんの微妙な手の動きを。

母親は握っているイドさんの手からその動きを感じ取ったようなのです。

 

『ただ母親が子供の手を握って文字を書かせる』

のと

『子供が自発的に手を動かして文字を書こうとしている』

とでは、意味合いが全く違います。

 

母親は、この発見をしてから、

『この子には明確に意思がある』

ことを認識しています。

 

この発見から、ポジティブな支援がなされ、結局彼は大学にまで進学しています。

もちろん、今でも音声言語を扱うことはできず、もちろん自閉症のままです。

 

この本を朝の地下鉄で読みながら、涙をこらえたのを覚えています。

そして、自閉症の人の可能性を確信を持って信じるようになりました。

可能性を信じる

認知症の人にしても、自閉症の人にしても、その負の側面だけを見ると、良いことはあまりなさそうです。

 

けど、正の側面も必ずあるわけです。

 

可能性を信じて、正の側面をより伸ばしていけるような関わりができると本当にいいなあと思います。


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