• 介護業務の裏で発生する無駄な仕事をとことん改善するための実践を発信しています

こんにちは。介護士のyooshです。

 

【『戦略的』に『スマイル』】

介護士のイライラで不穏なる利用者

高齢者施設で働いているので、利用者さんの中で『認知症』を持っている人って結構います。

  • 何度も「そろそろ帰ろか」と荷物をまとめ始めるおばあちゃん

 

  • トイレに行くと必ずおしっこをまき散らしているおじいちゃん

 

  • ずっと「おーい」と人を呼び続けるおじいちゃん(「何ですか?」と聞くと用事はないらしい)

 

  • 他人の部屋の電気を絶対に消そうとするおじいちゃん

 

  • トイレペーパーなんかを自分のポケットの中に詰め込むおばあちゃん

 

  • 立位が不安定でめちゃくちゃ危険なのに、何度も何度も立ち上がるおじいちゃん

いろんな行動をする人がいます。

 

認知力の低下が原因で、上記のような行動が出てしまうのは理解しています。

 

けど、やっぱりずーっと同じ状況が続くと疲れてきます。

1人で何人もの利用者さんをケアする必要がある場面では、特にそうですね。

 

で、そんな状況の中でどんどんイライラしてくるわけです。

で、職員の言葉が荒くなっていきます。

『まだ帰れへんよ!』

『またおしっこ撒き散らしてるやん!やめてよ!』

『なに!何回も呼ばんといて!』

『もう、そこの電気消さんでいいって!』

『また、ポケットぱんぱんやん!何入ってんの!』

『座っといて!』

みたいな。

 

この気持ち、はっきり言ってよくわかります。

 

けど、状況を解決しようと思うと

『イライラして声を荒げる』

というのは方法としては間違いでしょう。

(もちろん倫理的にもそうですね)

 

介護士のイライラに呼応して、利用者さんも不穏になっちゃいます。

で、『帰りたい』と思う利用者さんは『帰る』ことに、より執着します。

ポケットぱんぱんのおばあちゃんは『これ、わたしの!』と、くちゃくちゃのトイレットペーパーに執着します。

利用者さんが注目している事柄を切り替える

イライラして言葉を荒げても解決になりません。

じゃあ、どうするか?

まずは『伝え方を変える』ですかね。

 

例えば、『もう帰るー』と言って聞かないおばあさんには

『まだ帰れへんよ!』ではなく、

『〇月〇日には帰れます。』と言葉で伝えて、理解を促せないようなら、カレンダーを持って行って視覚的な情報も交えて説明します。

 

『おしっこ撒き散らすおじいさん』には

トイレに入った時に

『座ってしてもらっていいですか?』と声をかける。

他には、トイレの本人が見える場所に『トイレは座ってしてください』と張り紙をする。

とかですかね。

 

こういうことは結構簡単に思いつくし、実行もできると思います。

 

ただ、認知症の人で短期記憶に課題を抱えている人にとっては、このような方法は一時的な効果しかありません。

なので、『帰る日を伝える』にしても『座ってトイレしてくださいね』という声かけにしても、

『帰ろうとする行動』『トイレに行く行動』が起こるたびに、伝える努力が必要です。

(トイレの張り紙を見て「あ!座ってしなあかんな」と毎回思ってもらえれば、それは有効ですが、、、)

 

けど、伝え方を変えても、(僕たち職員から見て)ネガティブな行動って絶対にまた起きます。

だって本人は忘れてるんですもん。

 

じゃあどするか?

 

『諦める』

です!?

 

もう少し詳しく言うと、

できる努力(伝え方)を行った上で、

『利用者さんが執着している行動そのものを(直接的に)無理矢理辞めさせたり、止めたりしない』

ということです。

『もうこれは執着しちゃってるから、無理矢理にはどうしようもないよね』

と諦めます。

 

で、『本人が注目している事柄の切り替え』を試みます。

『執着してる事柄から、別の事柄に注意を向けてもらう』ということです。

 

例えば、『もう帰るー』のおばあちゃんと、

『軽く散歩に出かけてみる』とか

『好きな歌をDVDでかけてみる』とか

『対応する職員を変えてみる』とか。

 

そのおばあちゃんの周囲の環境に、変化を加えます。

その変化で、注意がそちらに向いて

『もう帰るー』の気持ちが少し収まることもあります。

意識を切り替えやすい状態を作る

『執着してる事柄から、別の事柄に注意を向けてもらう』時に大事なのが、

『注意を切り替えやすい状態を作る』ことです。

言い換えると、

『利用者の心が少しでも柔軟に動きやすい状態』です。

それは、めっちゃ抽象的ですが、

『穏やかな空気を作る』ことです。

 

職員がイライラして、『まだ帰れへんよ!』と言うとします。

そしたら、この『まだ帰れへんよ!』という言葉には、『帰る』ことを意識させるようなキーワードが入っているので、

利用者さんは『帰る』ことを、より意識するでしょう。

もし、『帰る』ことを意識させるキーワードが入っていない言葉でも、

職員のイライラは、利用者さんに伝播して、利用者さんはイライラで心が柔軟に動かなくなって、

『帰る』ことから『他の何か』に注意が向きにくくなります。

 

なので、利用者さんの心が柔軟に動くように『穏やかな空気』を作ることが必要です。

笑顔が鍵

そのカギが『笑顔』です。

あと、ポジティブな言葉選びですかね。

 

利用者さんの行動そのものを直接的に変えてやろうというのは、結構ムズイと思います。

なので、利用者さんの注意を他に向けて、間接的に行動の変容を促す必要があります。

 

その時に『職員めっちゃキレてる』だと利用者さんの注意の切り替えは難しいです。

 

確かにめちゃくちゃ腹が立つことってあります。

けど、よりベターな結果を求めるのであれば、ぐっとコラえて『笑顔』を作る方が効果的です。

 

『戦略的』に『笑顔』を作って、『穏やかな空気』を演出する。

まずはそうやって利用者の注意の切り替えがしやすい環境を作ってみてはいかがでしょうか??

利用者の注意が切り替わって、ポジティブな行動を起こしてくれるかもしれませんよ。

 

それに、全然別の利用者さんや職員に対しても、『笑顔』の方がよい影響があるのは確かですよね。

『笑顔』の方が良いこと多いですよー。


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